「人間は簡単に騙される」
そんな冷酷な真実を突きつけられるところから、物語は始まる。
甲斐谷忍先生による漫画『LIAR GAME(ライアーゲーム)』は、2005年から2015年まで連載された極限心理サスペンス。連載中から話題を呼び、ドラマ化も果たした知略マンガの金字塔だ。
今回は、「ライアー ゲーム あらすじ」を知りたい方に向けて、物語の流れをわかりやすく解説しながら、その魅力を紹介していきます!
■ ライアーゲームのはじまり

主人公はごく普通のお人好しな女子大生・神崎直。ある日突然、彼女のもとに「ライアーゲーム事務局」からの招待状が届く。そこには「1億円を貸し付け、奪い合いのゲームを行う」という内容が記されていた。
ルールはシンプル。相手の金を奪い、嘘をつき、勝ち残れ。負けた者は負債を抱える。
招待を受けた直は、早々に相手に騙されて大金を奪われてしまう。
途方に暮れる直の前に現れたのが、天才詐欺師・秋山深一。彼の知略と直の「人を信じる心」で、絶望的な状況から逆転を狙う2人の戦いが始まる。
■ 大会の全容 ― トーナメント制で進む“嘘の連鎖”

ライアーゲームは、複数の参加者が勝ち抜きで戦うトーナメント形式。各ステージでルールや仕掛けの異なる心理戦ゲームが用意されており、負けた者には巨額の借金が課せられる。
直と秋山はチームを組み、他のプレイヤーの裏をかきながら勝負に挑む。だが、同盟や裏切りが当たり前のこの世界で「信頼」を貫こうとする直の存在は異質であり、同時に読者の心を引き込む。
■ 登場する知略ゲームのあらすじ的ハイライト

物語を盛り上げるのは、緻密なルールが設定されたオリジナルのゲームたちだ。主なゲームを簡単にあらすじ的に紹介すると…
- 少数決ゲーム
参加者が「YES」「NO」などの選択肢から選び、最も少数派を選んだ人だけが勝ち残る。多数派を誘導しつつ、裏をかく心理戦が展開される。 - 感染ゲーム
ウイルス役と市民役が紛れ込み、「誰が感染者か」探り合うサバイバルゲーム。信頼関係と裏切りが複雑に絡む名勝負だ。 - 密輸ゲーム
輸入側と税関側に分かれ、密輸品を隠し・見破る攻防を繰り広げる。洞察力と思考の速さが問われるルールで、秋山の天才的な策が炸裂する。 - イス取りゲーム(最終戦)
椅子=席数を奪い合い、残った人が勝ち。チーム内の協力と裏切りが極限まで煽られ、人間関係が崩壊するスリリングなラストバトル。
■ 神崎直と秋山深一 ― 対極の2人が物語を動かす

ライアーゲームの軸となるのは、「人を信じることしかできない」神崎直と、「人を欺くことに長けた」秋山深一。
この2人は正反対でありながら、互いに補完し合い、ゲームを勝ち抜くために支え合う。
直は裏切られても「信じる」ことを選ぶ。秋山は相手の嘘を見抜き、冷静に戦局を操作する。
「信じる者」と「見抜く者」がコンビになるからこそ生まれる緊張感とドラマは、ライアーゲーム最大の魅力だ。
■ 物語の終盤 ― ゲームの本質と真実

数々の戦いを経て、直と秋山は「なぜライアーゲームは存在するのか?」という核心に迫っていく。
最終的に明かされる「ライアーゲームの開催理由」は、単なるゲームを超えて「社会の不条理」や「人間の本質」を抉り出す衝撃的なものであり、読者を深い思考へと誘う。
物語を読み終える頃には、「嘘をつくこと」「信じること」の意味を改めて考えずにはいられないだろう。
■ ライアーゲームは“心理戦を超えた人間ドラマ”
「ライアー ゲーム あらすじ」を一言でまとめると、
他人を信じるか、騙すか――選択を迫られながらも、人の心の奥底にある善性と醜さを暴き出す物語。
嘘と裏切りの中に光る“希望”や、相手を信じる勇気に心を打たれる。心理戦にワクワクしながら、人間ドラマにも引き込まれる。そんな唯一無二の作品だ。